それでは、調査の方法についてお諮りいたします。
調査の方法としては、本件について順次執行部の説明を聴取した後、質疑を行いたいと思いますが、御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○
島田俊六 委員長 御異議なしと認め、そのようにとり行います。
それでは、まず、総括的な説明を局長、院長にお願いいたします。
◎
田中亮子 健康福祉局長
◎
松田正和 市民病院長
(
総括説明)
○
島田俊六 委員長 次に、各項目の現状について、お手元に資料が配付されておりますので、説明をお願いします。
◎
甲斐節夫 健康福祉政策課長
◎古川孝
首席保健福祉審議員兼
地域保健福祉課長
◎
岩村正康 市民病院総務課長
(
保健福祉委員会資料に基づき説明)
○
島田俊六 委員長 以上で、説明は終わりました。
なお、
益田委員より、保育所に関する資料の要求があっておりますので、お手元に配付しておきました。
それでは、これより質疑を行いますが、各
項目ごとに調査したいと思いますので、よろしくお願いします。
説明のあった順番でいきます。まず、産院についての質疑がございましたら、お願いします。
◆
益田牧子 委員 産院の問題については、さきの9月議会でも本会議、この委員会を通して論議があったところですけれども、先ほどの報告を聞いておりまして、
助産施設であるとか今の産院の推移とかということだけがここで重視をされているわけですけれども、産院が果たしている役割ということを改めて見てみるということが私はこれからどうするかというときに大変大事ではないかと思うわけです。
私
たち議員に対しても、母乳の会の方から、産院の果たしている役割と
母乳文化を産院が支えているということで、ぜひこの存続をということで、これは10月19日付で来ております。
それで、この間、
赤ちゃんにやさしい病院と認定をされた市内の3施設が集まって記念講演や報告があったときに私も参加をさせていただいて、母乳の会の会長さんのお話などを聞きまして、これからの
子育てにとって大変大事な役割を果たすのではないかということを改めて痛感したわけです。その折に、産院の方から今の取り組みについて御報告があったわけです。
助産施設であると同時に、ほかの産科のところでは扱っていない困難な
シングルマザーであるとか、そういう報告がありましたので、その中身について御報告をいただきたいというのと、そういう数字にあらわれない産院が果たしている役割についても、今回できなくても、12月の委員会までにはぜひ御報告をいただきたいなと思います。
◎
甲斐節夫 健康福祉政策課長 2点のお話ございますので、まず私の方からは後の方の数字にあらわれない産院の役割についての報告を、今回できなければ、次の委員会までにというようなお話でございますので、私どもの今の
取り組み状況を御報告しまして、今後に対応してまいりたいということで、若干御説明いたします。
1ページは前回までの事実の話でございますが、産院の今行っている業務を大きく分けますと、
医療部分の
分娩部門、それと
相談部門。
分娩部門の中でも、
措置分娩、それと
赤ちゃんに優しい普通のお産の部分、大きく分けたら、そういう分類ができる。そういう中で、
普通分娩といいましても、今、委員おっしゃいましたように、措置が受けられない、そのはざまの方々、
経済的理由、またいろんな状況の
お母さん方がおられます。そういう中で、先ほどここに示しております産院における分娩数、例えば332の内容分析、
分娩総数の数字を言いましても、いろんな事例がありますので、その分析を産院、
市民病院等々と一緒になってやっております。
それと、もう一つは、
赤ちゃんにやさしい病院ということで母乳の文化の拡大等々を、今、委員の方からも御提案なりました。そういう部分につきましても産院が今行っている
相談事業等の内容の分析、それと我が局の
保健福祉センター等でも行っていますいろんな
相談部門との関係等を具体的に分析しながら、委員がおっしゃいました数字にあらわれない内容の報告に向けて作業中でございます。また
シングルマザー等のそういう内容につきましても、その一環として分析に努めておりますので、数字がきちっと出ましたら、御報告をいたしたいと考えております。
◆
益田牧子 委員
まちづくり戦略計画の中ではターゲット2ということで「
子供たちが健やかに成長するまち」と
子育てしやすい
環境づくりというのが上げられております。そういう中に、妊娠中の不安解消の促進ということがありますし、
子育て相談の充実とかですね。
そして、私が特にこれは大事なことだなと思っておりますのは、業務測定の指標が出されておりますけれども、その中に
子育てが楽しいと感じている市民の割合ということが成果指標の中にあるわけですね。この問題では、9月議会の折に
市立産院の
院長先生の方から日本の状況、外国の状況、すごく
子育てに対する不安が多くて、そういう中で産院の
お母さんの
追跡調査などをされて、
子育てが楽しいと感じている
お母さんの割合が大変高いということが一つの特徴として出されたと思うんですね。
先ほどの説明ではいろいろ検討しているんだとおっしゃいますけれども、行革の中で見ますと、産院をこれからどうしていくのかということについて本年度中に具体的な方針の決定ということですけど、これは大変困難ではないかと思うわけですね。市民に情報を提供して市民のコンセンサスを得るということが幸山市政の大きな柱でもあるときに、これまでになく存続を願う市民の皆さんの署名が3万5,000を超えている中で、平成15年中に方針を決定してすぐやっていくんだという時間の問題も大変急ぎ過ぎるのではないかと思うわけです。
これは局長にお尋ねしたいんですけれども、新たな事業の転換とか、抜本的な見直しということで大変わかりにくいわけですね。廃止ということで取り組まれるという方針を決めていかれるのか、存続をしながら、もっと付加価値を高めていくというふうにお考えなのか、その点を少しはっきりさせていただきたいと思います。
◎
田中亮子 健康福祉局長 今、委員おっしゃられましたとおり、今年度中に詰まるかという話もございますけれども、まずはそこを目標に
抜本的見直しをするという方向を決めたわけですから、それに向けてやっていかなければとは思っております。
それで、あと、廃止なのか存続なのかということでございますが、これこそ今具体的にその中身を精査し、そしてどのように展開したらいいかということを決めていく中でしかそれは決まらないだろうと思っておりまして、廃止ありきではございませんが、すべての事業を見直します。
また私ども局からしますと、先ほどもおっしゃいましたように
保健福祉の部分で
子育ての部分あるいはお産をめぐる前後の部分で、まだまだ足りないという部分がたくさんございまして、先ほどおっしゃったいわゆるお産の前後の
お母さんの
子育てをどのように支援していくかということは、これもやらなければ、あれもやらなければというものもございます。そのときに産院で今までなさってきたことあたりは大変有用な資産、資源でございまして、その辺をどのように展開していくかということを詰めていくという話になろうかと思っております。
だから、
保健福祉の分野、
子育ての分野でしなければいけない
保健福祉、医療、これでまだ残っているもの、あるいは強化しなくてはいけないものはまだまだございますので、それを検討しながらいくというところでございます。
◆
益田牧子 委員 何か大変ぼうとして、廃止ではないと言いながらも、やっぱりよそに委託をしたり、もっとそういう方向があるというような言い方に聞こえました。
それで、母乳の会の方からもいただいた中で大変私が共感をいたしましたのは、産院が
母子医療の最高峰の施設で、
産院当事者と
熊本市民が共同ではぐくんだ貴重な文化財ということを強調されておりました。やはりスタッフですね。施設は確かに十分とは言えませんけれども、そういう長年の蓄積をですね。ほかの自治体では、
助産施設はよそでもやっているからいいじゃないかとか、そういう形で切れるものではないということで、特にこの中では上田市のことが例示をされております。
長野県の上田市も
赤ちゃんにやさしい病院の認定を受けたが、市の財政を圧迫するということで廃院が検討されたけれども、上田市が
子育て支援センターを併設することで、妊娠・出産・
子育ての総合的・中心的な役割を担うということで存続を決定したということになっておりますし、この産科の施設を退院して、
子育ての不安に陥った母子の再
入院施設ということも受け入れをされているということです。
行革の真髄というのは、やはりこういう方向で、ただコストだけで評価をするんじゃなくて、今ある人、そしてそこで蓄積された大事な宝をより市民のためにどう使っていくのかということが行革本来の真髄でなければならないと思うんですね。ただコストだけでこれまで蓄積をされたこういう一つの
子育ての拠点を軽々しく廃止の方向などを出してほしくないなということを思っております。
それで、産院長も来られておりますので、今、それぞれ不安も広がって、利用者であるとか、そういう人たちの、市民からの意見などがどういう状況にあるのかだけお尋ねしておきたいと思います。
◎松尾勇 産院長 僕1人ですので狭い範囲かもしれませんけれども、例えば一般の市民の方ともお話しする機会はあるんですけれども、ほとんどの方は僕の考えに賛同と。僕の考えというのは、産科の医療というのは、今いろんな日本の社会問題になっている例えば
児童虐待あるいは悪質な少年犯罪とかいじめとか、そういった子供の問題、それから少子化、こういったことでも産院のやっていることは非常にいい、一番の最善の方法じゃないかということで、一般の市民の方はおっしゃっていただいております。
というのは、例えば
児童虐待に関していいますと、外国のデータでは
児童虐待をした母と子、それから
児童虐待をしていない母と子で母乳率の比較をしたのがありますけれども、38倍違う。それから、日本のデータでは、
厚生科学研究班が平成11年度と12年度に2度やっておりまして、1回は全国127カ所ぐらいの施設の
アンケート。それでは母乳率が5.9%。日本では90%ぐらいの妊産婦が母乳を希望しているけれども45%前後というふうに、実際の母乳率はそのくらいというふうに考えられています。それに比べても随分低い母乳率。それから、群馬県のデータを翌年に
厚生科学研究でしておりますけれども、それは4%という非常に低い母乳率ということで、母乳がすべてではないんですけれども、母乳というのは、そういったのを予防するかなりのプラスのカードにはなるなということは推測できるじゃないかと思います。
それから、動物実験で、猿を使った実験でも、例えば生まれてすぐ
お母さん猿から引き離した小猿、それを人が育てるということをやりますと、その小猿は社会性を失うということが言われています。その小猿がもし雌だったときに、将来
妊娠出産して
赤ちゃんを、本能的に母性というのは備わっているんじゃないかというふうに考えられていたんですけれども、そうじゃなくて、その子供を見ようとしない、殺してしまうことも多いというようなデータ、そういった観察がございまして、母と子は必ず一緒にしないといけない。人のほかの動物の世界ではすべてそれが自然の現象。それから、おっぱいをやるというのも自然のこと。
それから、ヤギの観察では、生まれて5分間、母と子を接触させる。そうすると、その5分間接触させた後で離した子ヤギを
お母さんのところに翌日連れて行っても、
お母さんヤギはその子ヤギを認識する、自分の子供だと。ところが、最初に生まれてすぐ直後に離して、1時間後にその子ヤギを連れて行くと、母はそのヤギを自分の子とは全然認めないで、そっぽを向いてしまうというような観察があります。
母と子というのはやっぱり一緒にいて、それから母性を高めるというのが非常に大事なんですけれども、それは人間でデータはなかなかとりにくいんですけれども、
お母さんの
アンケート調査ということがかなりたくさん行われていまして、
妊娠出産の直後が一番それが高まる。母性というのは
赤ちゃんがかわいいんで、その
赤ちゃんのために自分はどんなことでも頑張るぞという気持ちが母性なんですけれども、それが一番高まるのがお産の後1週間ぐらいの間というふうに考えられています。その時期にできるだけ母性が高まるように持っていくやり方を産科の方でやるというのが大切なんだということを、いつも強調して言っているわけです。
最後に、少子化の話になりますけれども、最近僕もよくわかったんですけれども、多くの
お母さん方から言われるのは、産院で出産した
お母さん方がまた次お願いします、また次も欲しくなる、また産みたいというふうにおっしゃっていただいている。確かに2回目、3回目のリピーターの
お母さんが多いなとは思っていたんですけれども、そういった
子育てが楽しい、次また産みたいというふうに
お母さんを持っていくというのが非常に大事なことじゃないか、これはやっぱり少子化の対策にもなるんじゃないかというふうに考えております。
◆満永寿博 委員 産院の今までの功績または奥の深さ、幅の広さ、そういったこと、目に見えないものの、話が
益田委員からありました。私は、目に見える数字の中で質疑していきたいと思っております。これは
決算委員会の中で出てきたものを私が要約しましたものですから、その中でちょっと違うことがあるかもしれませんから、それは質疑の中で違うということでお願いしたいと思っております。
まず、
決算委員会の中でも平成14年度の
監査委員の見解で、1、産院に対しては前年度900万円も上回る1億6,000万円の損失が計上されている、そういった中で
補てん財源として約1億6,300万円が
一般財源から補助されているというようなことなんですけれども、今後も依然として厳しい
経営状況には変わりはないというようなことでした。
そういった中で、産院の建物が、この間も言われましたけれども、建設後既に本館新館ともそれぞれ37年、30年が経過して非常に老朽化し、現在も非常に老朽化が進んでいる。今後、施設の安全性とか
衛生環境を保持していくためには、相当な改善費がかかるんじゃないか、費用が相当増大して経営を圧迫する、そういった要因が出てきやせんかなというような心配をしているところであります。
そういったことで、私がさらにこの中でちょっと分析をしてみましたところ、
利用状況等の中で平成14年度は、分娩数が332名のうちに
助産施設の本来の目的である
助産分娩は22.9%で、わずか76人というようなことですね。うち5人が、ここに書いてあるとおりに、市外の方であるというようなことですね。それと、患者1人当たりの赤字の額は前年度に比べて623.2円増というようなことで、7,926.2円となっております。したがって、患者全体の赤字が1億4,500万円というようなことになっております。
そこで、措置外の患者の分を計算してみると、この決算書のとおり、1億2,700万円が赤字になっている、そういった状況ですね。したがって、赤字の大半は
助産施設の設置目的以外のものと言えるのではないかな、私はそう思っております。すなわち、民間の産院でも対応とか可能じゃないかな、そういった考えでおります。
また、施設の
利用状況についても、
病床利用率が54%と、年々減少傾向にあるのは御存じのとおりでありますし、平成5年度と比べて10年間に19.4%と減少している。そのうち
措置対象者の利用はわずかに12.3%にすぎない。ですから、100とするなら、1割強の人しか利用していないというような状況なんですね。
お尋ねしたいことは、平成14年度の医業収入が約1億6,500万円の医業の損失を計上し、これを
一般財源で補てんしておりますけれども、前にも申し上げましたように、これを単純で計算すると、1億2,700万円の赤字は措置以外の出産の対応によるものと私は考えております。それで、この措置による出産費と一般の出産費との差額がどれだけあるのか。
また、参考までに民間の産院の
出産費用はどれだけなのか、それを聞きたいと思います。
◎
宮崎洋一 産院庶務課長 今御質問がありました
分娩費用の件でございますけれども、産院で分娩の場合、標準的な
パターンを申し上げますと、入院がほぼ1週間程度ということになりまして、基本的には自費ということになりますので、その際に27万円程度が
分娩費用ということで、うちの方に入ってきております。これは一般の
パターンでございます。さらに、助産につきましても、分娩の全体の費用は変わりません。助産の提供を受けますので、本人の負担が基準に定めております6万2,200円
プラス自費の分、例えば新生児の管理費だとか胎盤の処理費だとか、これが若干ございますので、9万6,000円程度が助産の方の自己の負担というような形になっているところでございます。
分娩費用自体は、総額はほとんど変わりませんので、そういうことになります。
◆満永寿博 委員 27万円ということですね、一般の方。
◎
宮崎洋一 産院庶務課長 個人的に差がございますけれども、ほぼ一般的な
分娩費用ということで27万円程度でございます。ただ、
社会保険、
国民健康保険の方から出産一時金が30万円は出ますので、その範囲内ということでございます。
◆満永寿博 委員 私はちょっとわかりませんけれども、これは税金でもって対応しているわけでしょう。だから、そういったことで、措置の方はまた別にして、一般の方を入れなければ、こんな赤字は出らなんとじゃなかろうかなと思いますけれども、その辺どんなですか。
◎
宮崎洋一 産院庶務課長 今の質問でございますけれども、先ほど委員御指摘のとおり、ずっと1億5,000万円
程度赤字が続いているということで、分娩数が極端に減っているということで、ここは一般の分も助産の分もうちの収益といいますか、
赤字云々に関係ないかと思うんですよね。その分はうちは実入りが入ってきますので、個人が負担するか、あと公費が負担するかという問題でありまして、先生が御指摘のそこの理屈にならないのかなというふうには思います。
◆満永寿博 委員 先ほど少子化というようなことで
松尾先生の方からちょっと話がありましたけれども、この少子化の傾向がある中で民間の産院の経営を圧迫しているような、そういった感じもせんでもないわけですね。そういったのが税金でもって民業を圧迫しているのじゃないかなというのは、私の邪推ですけれども、その辺はどんなかなと思いますけれども。
◎松尾勇 産院長 先ほど御説明したときにちょっと漏れましたけれども、同じように市内で開業なさっている
産婦人科の多くの先生方ともお話ししております。多くの先生方が産院は必要だ、産院の規模も縮小してほしくないというようなことをおっしゃっております。ただ、確かにごく一部は産院に反対の先生方がいらっしゃるのはいらっしゃるんですけれども、僕がお話しした多分市内の開業医の過半数は十分超えると思いますけれども、そういった先生方は産院は絶対必要だというふうにお考えになっております。
というのは、産院で330ぐらいの出産が去年あっておりますけれども、そのうち社会的・経済的に
措置分娩になられる方が70数名いらっしゃったんですけれども、その
措置分娩に例えば前年度の所得があってならなかった、今は失業しているけれども、やっぱり経済的に困っているという方もたくさんいらっしゃる。
それから、先ほどちょっとお話ございましたけれども、
シングルマザーとか、社会的な弱者といいますか、そういった方々もたくさんいらっしゃるんですね。そういった方々も産院で出産するケースが随分多ございますので、実際の
措置分娩の方は76名だったかもしれませんけれども、社会的・経済的な弱者というのは多分産院で今お産なさっている方の半数を超えると思います。
それから、
産婦人科で開業なさっている先生もお1人でなさっている先生方が結構いらっしゃいまして、そういった先生方は夜中の帝王切開とか手術というのは相当ストレス、圧迫があるということで産院に送っていただけるということで、5月から7月ぐらいまでの3カ月間を集めて統計をとろうと思ったんですが、余りに大き過ぎたので7月だけを統計をとったのがあるんですけれども、33例のお産のうち10名を超えて民間の病院からの御紹介の方たちです。それから、その中で
シングルだった
お母さんが7名ということです。そういうふうに、かなり多数の方たちはやっぱりいろいろ問題があって産院に送られてきたりするケースが随分多いということを、ここで御説明させていただきます。
それから、民間の先生方も産院が分娩数を圧迫しているとは、ほとんどの先生方は現時点では思っていらっしゃいません。以前、例えば1,000例を超えるお産があった時代がありますけれども、そのときは確かに産院というのは民間をかなり圧迫していたと僕も思いますけれども、現時点では産院が民間のお産を圧迫しているとは、ほとんどの先生方はお考えになっておりません。
◆満永寿博 委員 ユニセフの
赤ちゃんにやさしい病院の認定を受けておりますですね。平成8年9月に熊本市の
行政改革大綱というようなことでいろいろ議論されておりますけれども、このこと自体を私は否定するわけでも何でもありませんけれども、これはなぜ認定を受けたのか、その辺の経過を説明してくれますか。
◎松尾勇 産院長 産院では
お母さんと
赤ちゃんに優しいお産というのを目的に僕が産院に赴任して以来やってきたわけです。母乳が
赤ちゃんにやさしい病院の認定の一つの大きな柱になるのは間違いありません。母乳が一番自然でいいというふうに思いまして、僕が来てからずっと母乳を推進してきていたわけでございます。
赤ちゃんにやさしい病院のことは、それまでほとんど僕も知りませんで、一昨年の秋にゆのはら
産婦人科医院が
赤ちゃんにやさしい病院に認定されたというのを新聞で読みまして、そのときにこういうのがあるんだというのを、僕は非常に勉強不足で、そのとき初めて気づきました。ゆのはら
産婦人科医院も、その前に産院に来て、母乳をどうしたらいいだろうということで、非常に積極的な婦長さんでございましたけれども、産院に勉強に来られております。産院がその時点で母乳を一番やっているということで勉強に来られたわけですけれども、その後、ゆのはら
産婦人科医院が認定されたというのを知りまして、産院はそういった認定を受けられるんじゃないかということで、翌年、申請しまして、それで合格したということでございます。
赤ちゃんと
お母さんに優しいという医療は僕のもともとのモットーでやっておりましたものですから、特に内容を変えたとかということはございません。それの資格がやっぱり取れるものは取った方がいいというのは僕でもあるし、あるいはスタッフも励みになりますので、そういうのがあるんであれば、取ろうということで取ったということでございます。
◆満永寿博 委員 今ゆのはらと言われましたけれども、それは民間で、熊本市内の病院ですね。熊本市内の病院で、これも
赤ちゃんにやさしい病院として指定を受けておるわけでしょう。それと、
市民病院もユニセフの方からも指定を受けておりますね。どんなですか。
◎
松田正和 市民病院長 熊本
市民病院は本年6月に指定を受けておりまして、これはユニセフ、WHOからのいわゆる
赤ちゃんにやさしい病院ということで、急性期病院がこういう指定をぜひ受けてほしいという申し出がございました。といいますのは、単科、いわゆる産科専門の病院、施設でありますと、かなり徹底して取れるわけですが、こういう急性期病院でなかなか取れないということでございます。1つは、こういう
赤ちゃんにやさしい病院というのは病院全体としての取り組みが必要だという条件がございますものですから、なかなか全国的に取りにくいという話がありました。
市民病院にぜひ取ってほしいということでありましたので、努力して、やっとことし取ったわけでございます。
◆満永寿博 委員 ゆのはらということで民間の産院ですけれども、そういったところに受け皿といいますか、そういうのは難しいんですかね。それとも、
市民病院あたりも受け皿としては難しいんですかね。その辺はどんなですか。
◎松尾勇 産院長 各病院とも生き残りといったことで特色を出して産科の医療をやっているわけです。ゆのはら
産婦人科医院はゆのはら
産婦人科のやり方というのがありまして、できる範囲内のことを一生懸命努力されてやっていらっしゃる。
市民病院は未熟児とか非常に多い中でそういった取り組みをなさって、それをなし遂げられているということでございますけれども、もともとの僕の考え方はほかの先生方と多少違うのかもわかりませんけれども、要するに
お母さんと
赤ちゃんにハッピーになっていただきたい。そういったモットーですので、お産のやり方あるいは管理の仕方とか、それから産院はどうしてもハイリスクの方、
市民病院ほどではございませんけれども、結構多ございますので、そういった内容が全く一緒とかということではありませんで、やっぱり考え方も多少違います。
それから、産院で出産なさった例えば重症の内科の合併症を持った
お母さんたちが今産院の存続ということで署名をとっていらっしゃるというような動きもあるわけですけれども、民間の病院や
市民病院と産院の
お母さん方では多少患者層というか、質も違うんじゃないかと。
ただ、産院でそういった署名活動を行って中心になっている
お母さん方は、大体そういった合併症を持ったり、あるいはほかの病院でうまくいかなかったという
お母さんたちが一生懸命署名活動をなさっているケースで、例えば産院だけに最初からかかったわけじゃなくて、ほかの病院にもかかって、産院が一番よかったという感じで署名活動をなさっている
お母さんたちです。ただ、どちらかといいますと、産院が今まで主力にしてきました社会的・経済的な弱者という
お母さん方は、その署名活動にはほとんど参加されていないということがございます。
◆矢野昭三 委員 今の民業圧迫にならないという話では、南熊本病院ですが、一応感じがいいんだ、あそこは。やっぱり病院の対応の仕方だと僕は思うんだね。僕は
産婦人科というのはなぜか先生よく知っておるんだ。あそこは看護師の対応が非常にいい。あれは優しさで、病院に行った感じで患者というのは安心感が出てくるんじゃないかな。ただ、民業圧迫にならないという産院があっていいという、地域医療センターがありますわな、今。各病院がみんなあそこ行きよる。そういうのがあって先生方は産院がなくなってもらうと困るというような言い方、ちょっと私は解せないんだけれども、ようわからんですけれどもね。かといいまして、ゆのはら病院みたいに一生懸命これをやろうという方が、民間の開業医にもおられるわけですからね。
少子高齢化、いろんな問題、これは局長さん、やっぱり国が少子化のものを打ち出しているわけですから、地方分権などいろんな形の中で大事なことだと僕は思うんですけれどもね。そういう認定を取る問題を国に対してもっと働きかけて、何かの方法論を考えることはあるんじゃないかなという感じがしますよ。今、延々やっておるんだもの。いろんな意見が出てくると、収拾つかんと思います。
私も今考えて、民業圧迫になるんじゃないかなと。民業圧迫にならない、産院はあってもらわんと困るというような意見があるということですが、それは初耳なんですけれどもね。ゆのはらさんもうちの近くなんですけれども、あそこはにぎわっている。片や生田さんとか何とかあるんですけれども、ほとんどないわな、もう。分娩的なことはやっていない、婦人科の方はおられるけれども、南熊本周辺でもあの病院だけだと僕は思うんですけれども。だから、これを今からどんどん論議やっても、いつまで尽きんと思うけれども。
僕が言わんとするのはそういうような形、地方分権でやっぱり財政負担、市民感情としては1億6,000万円ぼんと出ます。補てんするんだと、活字になってきますと、何でいつまで残しておるかというような問い合わせがあるわけです。だから、いろいろ病院はあるんじゃないか、
市民病院もあるんじゃないか、産院もあるんじゃないかという一般の市民感情があるし、一つのルートができておるの、患者というのはね。私の孫だって、みんな熊大の医学部ですけど、熊大に行くんですよね。孫たちみんな、母親も行って、恐らく
子供たちもまた妊娠したら、熊大でやっぱりお産するようなことに流れがなるんじゃないかなという感じがします。
そういうもろもろの問題を考えなならんし、少子化という大きな国の施策の中で、地方自治体がどんどんそういうようなことでやっていかんならん、我々ができる市民に対するサービス的なことをやっていかんならんという中で、財政的な問題が絡んでくるんですけれども、これは国あたりにもっともっとこういう問題はどんどんアピールして実際すべきじゃないかなと、それだけ熊本産院が評価されておるとするなら、そうは思いますけれども。だから、今のようなことでもやりますと、いつまでも続くと思いますよ。
◆田尻善裕 委員 産院の話しの中で私は2つポイントがあると今まで聞いていて感じましたんで、お尋ねいたします。
1つは、母乳で育てる件がよく出てくるんですよね。この母乳で育てるというのは産院だけなんですか、これができるのは。民間でできないんですか。それと、本当にいいんであれば、民間みんなでやるように指導するのが市の責任だと思うんですよ。それが1つの論点。
それと、もう一つは、今、資料を見せていただいたんですけれども、
助産施設が熊本市より人口の少ないところで2つや3つあるところもありますし、福岡は5つありますね。熊本が1つしかないというので、どこかうちを許可してくれとか、新しく
助産施設を認可するとか、そういう動きがあるかどうか、教えていただけますか。
◎
田中亮子 健康福祉局長 産院で今までやられた、あるいは
赤ちゃんにやさしい病院の指定を取って、さらにやっておられる
子育てのやり方、いいところはほかではできないかという御質問ですが、これについては本当にどこの産院に行っても、どこでお産をしても、それが享受できるような、そんな産院の働きあるいは行政の働きかけが必要と思っております。それは、今度ちょうど、産院をどうするかという見直しもありますでしょうけれども、私どもはお産をめぐるところの先ほど申しました広い意味でのどういう支援がいいかというところでいきますと、これを全部の産科に広げていくという大きな働きをしなければいけないと思っております。
ですから、今も既にやっていらっしゃるところはたくさんあります。認定を受けていらしゃらなくても、その思いでやっていらっしゃる産院はあると聞いておりますので、そういうところが無理にこの指定を取らなくても、そういう産後のことをやられるところをふやしていく、そのような働きかけをしなければいけない。ですから、産院がこれまでやってきた、今もやっているとおっしゃるものを、もっと広くほかの病院にまで広げる、その働きをするのが行政的な病院のあり方ではなかろうかと思っておりますので、そういう中に入れて論議していきたいというふうに思っております。状況もとりたいと思っております。
◎
甲斐節夫 健康福祉政策課長 2点目の民間での
助産施設認可への動きということでございますが、端的に言いますと、まだ内容をとらえておりません。といいますのが、今まで市の産院があったということで、助産関係につきましては市の産院の方でやっておったということになります。先ほど言いました助産の内容分析という中で、例えば大分あたり民間3カ所ございます。そういうものがいわゆる助産の内容で、
経済的理由のみの場合と、それ以外のいろんな福祉的配慮を必要とする場合、いろいろあろうかと思います。そういう中で、助産を受けられる方の利便性というのを考えるべき点なのかどうか。
それと、委員おっしゃいました民間医療機関での認可への動きというものがどういう認可要件、またそういう御意志がどうなのかというのは、この
抜本的見直しの中でも当然論点になる項目であると考えておりまして、その辺の整理を今やっております。
○
島田俊六 委員長 この問題につきましては、また12月議会の常任委員会で意見がございましたら、やっていただきたいと思います。
時間が大分過ぎていますので、次の項目の
さくらカードについての質疑を行いたいと思います。
◆
益田牧子 委員 私は、これまでいろんな福祉の施策というものがありましたけれども、
さくらカードほど市民から歓迎をされて、いろんな論議が交わされている制度はないと思っております。それで、存続については市民の意識調査でも希望することが多かったということで、この行革の中では最初に受益者負担ありきということがスタート点になっていることに大変問題を感じております。
それで、まちづくり戦略の中でも「元気に人々が集う元気なまち」ということが戦略のターゲット3ということの中に含まれております。この
さくらカードがあることで、多くの方々が買い物に行くとか外に出る機会が大変多くなったということがあるわけですね。そういう目的をどうすれば達成できるのかという点での検討ということが行革の第一の柱でなければならないと思うわけですね。すべてを受益者負担のめがねだけで見ていくとなりますと、せっかくまちに出かけてきた人たちが足をすくませるということにもなるんではないかと思うわけです。
それで、先ほどプリペイドカードの利用実態調査の報告をいただいたわけですけれども、最高の方が141回ということはありましたけれども、この中に利用を全然しなかったという方が全体2,898人の中で623人、21.5%とあるわけですね。やはりそこら辺に対する解明も私は必要じゃないかと思うんですね。なぜ利用しなかったのか。例えば高齢者の方でも障害があってバスがすべて低床でないとか、いろんな形で利用できないとか、そういうことについてやはり考察をしないと、私は結論ということは導きにくいんではないかと、利用ゼロについてのですね。
それと、先ほどの説明をお聞きしておりますと、いっぱい利用している人たちの方に問題があるような、そういう考察が大変多かったと思うわけですね。例えば、月30回超及び5,000円超の利用、人数では15%なんだけれども、総利用金額では半数を占めるとか、利用頻度の高い層が平均を押し上げているとかですね。
私は、見方からしたら、こういうふうに多く利用されている方が社会に対してボランティア活動とか、いろんな形で参加をするときに、
さくらカードを活用されているということもあるわけですし、ただ回数からこういうふうに結論を導き出すということは大変問題じゃないかと思うんですね。これをもって次はプリペイドだ、次はどのように負担をしていくのかということではなくて、やはりこれだけ多くの方々が関心を持っている制度でもありますので、もう少しこの調査を継続していくということが大事ではないかと思います。
なぜ利用ゼロになっているのか、多くの人たちがどういうふうに活用されているのか、その点についての考察はいかがでしょうか。
◎古川孝
首席保健福祉審議員兼
地域保健福祉課長 今回の利用実態調査は、確かに1万人にお声かけて2,898人ということでございます。特にこの方たちはよく利用されている方がモニターになっていらっしゃるというような、そういうモニターの属性というようなものは確かにあろうかと思っておりますが、たまたま3カ月の中で利用しなかったというようなこともございます。モニターとして協力したかったんだけれども、3カ月間バスを利用しなかったんだよというような方はいらっしゃるかと思います。
なぜかといいますと、
さくらカード交付者に昨年意識調査をさせていただいた中で、
さくらカードをお持ちの中で電車・バスを利用したんだ、1年間のうちで1回でもというような方82%というようなことでございまして、残りの方は電車・バスを全く利用しませんよというようなことでございます、お持ちの方でですね。また、別に
さくらカードを申請しないというような方も現にいらっしゃいますし、そういう今回のモニターの属性というようなのは若干分析しているところでございます。
たまたま6月は乗ったんだけれども、7月は乗らなかっただとか、モニターの中で利用頻度は週に一回、月に一回、2カ月に一回だとか、それぞれの方いらっしゃいますので、あくまでも昨年の意識調査等々を参考にしながら、全体の姿を明らかにする必要はあろうじゃないかと考えているところでございます。この結果につきましては、あくまでも数字であらわれたことでございまして、今まで数字が全くわからない状況だったのが、今回やっと数字で
さくらカードの利用実態が、先生おっしゃるように、あくまでも推計だとか、いろんなことでございますので、これがパーフェクトなのかというようなことではないかと思いますが、あくまでも推計になろうかと思っていますが、おおむね間違った数字ではないと思っております。また、そのあたりの利用されない方等々、当然そういう個人個人の背景があろうかとも思っております。
◆
益田牧子 委員 もう少しどういう目的、どういう形で費用対効果ということも言われますし、使っていらっしゃるのか、そういうことが考察をされる必要があると思います。この具体的取り組みというものの中に高齢者福祉施策との整合ということがうたってあるわけですね。例えば、ゼロ回という方たちの中にも、先ほど言いましたけれども、足が悪くてなかなか乗れないとか、いろんなことがあるわけですから、整合性をとらせて、福祉タクシーあたりにもっとシフトするとか、そういう面では障害者福祉の分野ではあるかもしれませんけれども、非課税だけということが対象になっているのを、もっと課税という形に広めるとかですね。
回数だけで、しかも時期の問題では、来年度から実施しようというときに、大変不十分な調査をもとに結論を出すべきではないということを言ったわけですけれども、これをもとに、そしたらバス協会との間で今どんな論議がされて、平成16年度からの実施ということになつているのか、その点いかがですか。
◎古川孝
首席保健福祉審議員兼
地域保健福祉課長 現行の制度では平成16年度以降、継続は困難なんだというような各バス会社の申し入れもあった中で、意識調査と今回の利用実態調査とを行ってきたところでございます。その間、いろんな市民の御意見、それから
さくらカード導入当初から議会でもあらゆる視点から種々の御論議をいただいた中での今回の制度見直しというようなことになったわけでございまして、できれば平成16年度から新しい制度を導入し、将来の高齢化社会に向かって安定的な制度にしたいというようなことで検討プロジェクトを設けまして、ここ2年近くバス協会等々と議論してきたところでございます。
今回の利用実態調査等をやったわけでございますが、まずはこの平成15年度につきまして、
さくらカード事業は総事業費として幾らぐらいの事業費になるのかというようなことをつかまえる必要があろうかと思っています。現在、これはいろんな先生御論議の中で、推計としていろんな推計あろうかと思っていますが、そういう中で妥当な推計といいますか、それをあらゆる視点からの分析を進めているところでございます。
そういう中で、利用者負担をいただく制度にするならば、どういう制度があるのか。利用者負担を求めるならば、透明度を保てなければいけないという大前提でございますので、現在ありますプリペイドカード等々の導入はいかがなのか。そうすれば、利用者全体の利用度数がはっきりわかり、市民の総事業費に対する御理解をいただけるんじゃないか等々も検討しておりますし、制度改変につきまして新たな事務経費等もなかなか導入できないという中で、現在のバス会社の既設システムを活用できる制度も前提として入っておりますし、そういう機器ソフトの方の議論も並行して今やっているところでございます。
基本的な部分は、全体的な総事業費はどうなるんだ、将来の高齢者の伸び、
さくらカードの交付者のバス・電車の利用者増にどう、この総事業費で対応していくのかというような中でのバスの経営の問題、その前に私どもの財源の問題等々も当然協議のプログラムの中に上げて、どういう制度が当分維持できる制度なんだというようなことで鋭意議論しているところでございます。
◆
益田牧子 委員 これは9月議会の折も事業費、そして事業者負担をどれだけするのか、それとも福祉サービスということで、例えば障害者の場合は2分の1ということが社会的な通念になっているわけですから、福祉割引制度という形でしていくとか、プリペイドカードということが今出されましたけれども、それについては、そしたら、メリット・デメリットがどうかとかですね。
来年度から事業をしていこうというときに、何もかも、総事業費が幾らになるのか検討中とか、透明性を高めるということでおっしゃいましたけれども、プリペイドカードについては利用実態、市民意識調査の中では反対の方が結構多いわけですよ。「賛成」が4割近く、「反対」も3割に近い、「わからない」もあるという中で、それだけが突出してきておりますけれども、もう少し明快にA案、B案、C案、それについては総事業費はこれだけだ、デメリットはこれだとか。
また、事業化については、やはり市民のコンセンサスを得ると。一番の根拠にされているのが、意識調査で少しならいいというのが6割あったということがこの最大の根拠になっておりますけれども、それ以後に介護保険が上がるとか、いろいろ高齢者を取り巻く状況というのがさらに厳しく、年金も下がったということもあるわけですから、小学校区単位ぐらいで少なくとも今の段階でのいろんな聞き取り調査、そういうこともやって、あと1年ぐらいはやっぱり十分時間をかけるぐらいでないと、トップダウンで強行ということにつながるんじゃないかと思うんですね。もう少し説明責任を行政が果たすべきだと思いますけれども、その点はいかがですか。
それと、さっきの利用実態調査の中では高齢者だけが対象になって、障害者の方であるとか被爆者の方についての
アンケート調査等が行われておりませんけれども、そういう分野については今後どうされるつもりなのか。配慮、配慮ということでこれまで来ておりますので、あと2年、3年かけて協議するということなら今の話でそうかなと思いますけれども、来年度から実施をするときに、やっぱり議会に対する説明責任が大変不十分だと思います。
◎古川孝
首席保健福祉審議員兼
地域保健福祉課長 いろいろ議会等々で御論議いただいているところでございまして、そういう中でこういう行政改革の
中間報告の姿というようなことが出てきたわけでございます。例えば今、先生おっしゃいましたA案、B案、C案と、いろんな案ございます。バス協会からもいろんな御提案を今までいただいております。
利用実態に応じた増額だとか、100円ワンコインを入れろだとか、6億円分打ち切りのプリペイドを導入しろだとか、そういう視点のいろんな御論議はいただいておる中で、それについて一つ一つ、全体の新しい制度を考える中でどれでもメリット、デメリットが全部あるというようなことでございまして、現在バス協会と利用者の方にも御理解いただけるような制度を議論しているところでございます。バス会社さんそれぞれありますし、これはなかなかA案、B案、C案と、いろんな中での議論は当然やっているわけでございまして、ある程度の考え方がまとまった段階で、これは御提案申し上げる部分だろうと考えております。
それから、障害者の方たちでございますが、今回の利用実態調査につきましては、障害者手帳をお持ちの方、お持ちでない方も70歳以上ということでやっております。障害手帳をお持ちの方、1級、2級、3級だとか、4級、5級、6級、その御本人さんの状況によってそれぞれ御事情が違うかと思っていすます。それで、6級の方、5級の方、どうなんだというようなことでございます。特にそういう障害で70歳以上の方、そういう手帳をお持ちの方、お持ちでない方というようなことでやってはおりません。
さくらカードは70歳以上の年齢の皆さん同等に御利用をいただくんだというようなことで従来からやってきたわけでございまして、特に70歳未満の1級、2級、3級の方につきましては70歳以上の方と同等の取り扱いをお願いしたいというようなことで、今までバス協会の方と協定をやってきたわけでございまして、それに加えて、被爆者手帳をお持ちの方も70歳以上と同じような制度でお願いできないかというようなことで今まで協議をやってきたわけでございまして、そういう中での対応の仕方というのは私どもも考えているところでございまして、その部分は各バス事業者の御理解を得る部分だろうと考えております。
◆有馬純夫 委員 バス事業の方に市から毎年補助されているのは6億円ですね。その金額でも赤字だということで、今回のモニタリング、3カ月の間だけだったんですけれども、この中からそういう部分の統計でどうだったでしょうかね。
◎古川孝
首席保健福祉審議員兼
地域保健福祉課長 これにつきましては、全体的な、現在協議やっていますが、負担割合を新しい制度になってまたすぐ変えるというような、こういうシステムはできないだろう。平成20年には恐らく70歳以上は10万人を超えるというような状況でございまして、私どもはこの制度を変えるに当たって、当面、この制度を続けていきたいんだというようなことでバス会社とも話し合っております。
今、従来の6億円がどうだったんだというようなお話でございますが、ここ何年も利用実態に応じた負担をお願いしたいだとか、それができないなら100円ワンコインをというような状況の中で、今回の初めて運賃というような形での3カ月の短い時間でございますが調査し、そういう中で推計をやっているところでございまして、各バス事業所のそれぞれの推計もございます。それらの根拠を鋭意詰めているところでございまして、この全体の事業費をおさえないと、将来に向かっての新しい制度の利用者負担をどのような形で負担していただくのかというような部分もなかなか決定しづらいというようなことがございまして、まずはこの事業費をおさえるんだ、そういう中で過去の6億円がどういうことだったんだというような部分につきましても明らかにしていきたいと考えております。
◆田尻善裕 委員 お答えは簡潔で結構です。月平均2,531円という数字が出たんですけれども、単純計算で幾らになりますか。
◎古川孝
首席保健福祉審議員兼
地域保健福祉課長 単純にこれを掛け合わせますと、年間18億円から19億円程度になろうかと思います。
◆
益田牧子 委員 今、古川課長の話を聞きますと、何かバス協会の代理人のような感じにしか聞こえないわけですよ。
高齢者の方々が一番注目をしていらっしゃる、そして産交問題がありまして、県も入って都市圏にどういうふうに補助制度を行っていこうかという新たなる状況ということも生まれているわけですから、民間のバス業者の運賃という形では試算ができるにしても、いろんなところが合理化をして、間引き運転をするとか、バス協会あたりの運営努力ということもあると思いますし、もう少しこのバス協会の実態と
さくらカードということをですね。私が思うには、
さくらカードが導入されてバス協会がそれで人をふやしたとか路線をふやしたとか、そういうふうな話は全然聞いておりませんので、ただ18億円、19億円、そしたら山分けをしてどうするかということではなくて、もう少し科学的な根拠で、やはり行政の立場は高齢者や障害者の立場に立ってほしいということと。
議会に対する説明もそうですけれども、12月までにはもう少し明快な数字も挙げていただいて、それに基づいて各老人会であるとか校区単位での説明責任、そして意見を徴収する、そういうことをぜひしてほしいなと思います。
◎古川孝
首席保健福祉審議員兼
地域保健福祉課長 私はバス会社の代理人じゃございませんので、あくまでも市を代表して交渉に当たっております。それはバス会社の御事情も種々御論議あろうかと思っていますし、熊本市の財政難というようなのも肝に据えて当たっているわけでございます。そういう中でいろんな交渉事に当たっているわけでございますので、市の立場を御理解いただく、私どもはバス事業者のそれぞれの立場も理解していくというような中で、新たな
さくらカード制度をどうつくっていくのかというようなことで協議しているところでございまして、利用者の方々や議会の御論議を経ながら、新しい制度をつくっていくというような姿勢の中で各バス会社と交渉、協議をしているところでございまして、よろしく御理解をお願いしたいと思います。
○
島田俊六 委員長 残された時間が少ないんですけれども、福祉三団体あるいは株式会社サンシティ、
市民病院の改善等について何かございますか。
◆
益田牧子 委員 この行革の中には、議会でも少し論議がありましたけれども、
市立保育所の見直しというのは初めてこういう形になったんではないかと思うんですね。それで、ここの中で土曜1日保育であるとか無認可保育所に対する支援に取り組むということは大変結構なことだと思うわけですけれども、だからということで結論が公設民営化ということには私はならないと思います。
資料を要望いたしました中でも、資料2のところですけれど、熊本市の公立園と私立園の割合は民間83.6%に比べて公設が16.4%、全国平均で見たときに公立が55.7%ということで約半々ぐらいのウエートになっているときに、熊本市の公立園は極めて割合が低いと思うわけです。これまで公立園がいろんな国の基準に先駆けてゼロ歳児保育あたりの保母さんの定員をふやすとか、障害児保育に取り組んでいくとか、そういうことが民間園に波及して、全体として熊本市の保育のレベルアップということに大いにつながってきたんじゃないかと思うわけですね。
きのう、いろんな市民団体の方々とこの行革の問題を話し合う中で、一番指摘があった点は、こういう保育などの分野に効率とか効果的というコスト面のようなことだけから見ていくのは大いに問題じゃないかということが研究者の方の意見でもありました。やはり公立と民間があることで大いに競い合うというか、そういう形でこれまでも来ましたし、全国的にも公立の割合が少ないところで、結論が園の統廃合や公設民営化ということには全然解せません。
公立園がもっと地域に密着をして、どう役割を果たしていくのか、そして民間との協力、共同をどうつくっていくのかとか、無認可園をもっと認可園に引き上げていこうとか、そういうことで結論が出るのならわかりますけれども、公設民営化の導入ということをうたった背景ですね。コスト面でこうされたのかですね。この効果的、効率的という意味はどこにあるのか、その点を説明いただきたいと思います。
◎重浦睦治 保育課長 公立保育園の数ということが出ましたが長崎、大分、宮崎、この付近に来ますと熊本と余り変わらない、公立と私立の比率、全国と比較した場合のことがあろうかと思います。ここに出ているのは、あくまでも一般的な資料であるというふうに思っております。熊本には21カ園の公立と107カ園の私立があり、その中で
子供たちを預かって見ている。これにおいては、認可園においては公立と私立の差はないんであろう。そうでなければ、行政が責任を持って私立の方に委託して
子供たちを見てくださいという、そこの前提が崩れますので、保育はきちっと公立においても私立においても行われている、そういうふうに認識しております。
そこで数を申し上げますと、小学校に上がる前の
子供たちが約4万人おります。4歳児、5歳児のうちの98%は保育園ないし幼稚園で見ております。これが2歳児になりますと、約40%を幼稚園と保育園で見ている。残り60%が家庭にいる。そこで、まちづくり戦略の中で、
益田委員からも出ましたように、地域において
子供たちが健やかに育つように
子育て支援をやっていこう。例えば、2歳児の60%を家庭において安心して育てていただける。そのためのいろんな可能性があります。
1つは、やっぱり保育園が担う。その保育園が担うということは、公立保育園には経験豊かな保育士がおります。その保育士たちは園で子供を見るだけではなくて、お母様方のそういった育児相談に乗ってあげる。そうしたところに活躍することが必要になってくるんじゃないか。その際に、保育園を併設することによって
子供たちの交流ができますので、公立保育園に例えば
子育て支援センターを併設する。そうなってきますと、そこに保育士が必要になってきます。
必要な手段として考えていった場合に、
子育て支援に保育士の果たす役割が出てくると、どうしても通常保育の部分については手薄といいますか、賄えない部分が出てきます。この部分につきましては、先ほど申し上げましたように、公立においても私立においても保育をするという部分では差がないわけですから、そのあたりについては民間にお任せすることも将来出てくるのかなと。これはまちづくり戦略を考える中で出てきた答えであって、まず公設民営があるということではなくて、保育園あるいは保育士の活躍の場、これをまちづくり戦略の中で考えていくと、そうした可能性が出てくるということでございます。
◆
益田牧子 委員 まちづくり戦略は、全体の非効率的なところを大いに見直して人や物、金をどこにつぎ込んでいくのかという大事なターゲットが
子育てしやすい
環境づくりとなっているわけですね。ですから、今、重浦課長がおっしゃいましたように、家にいらっしゃる子供さんたちがもっと保育園というところに来れるような状況をつくることもあるし、それが就労支援ということにつながるということもあれば、私は民営化で人を浮かせて、そちらにシフトするということじゃなくて、公立園は、今も役割を果たしているわけですから、さらにそういうところにこそ人をふやしていくというところにこの戦略の位置づけがあるんじゃないかと思うんですね。
みそもくそもと言ったらおかしいですけれども、何でもかんでも民営化ありきということで、大事なこういう
子育てを効率とか、そういうことだけの物差しではかってはならないところにまで、こういうコスト論ですべて見ていくということは、私は賛成できかねます。
平成19年度からの導入ということがありますけれども、横浜あたりでは来年度からということで進んでいるようですけれども、やはり働いていらっしゃる保育士の方々、またそこに預けていらっしゃる保護者の皆さんとか、これはすごく影響が大きいと思うんですね。そういうコンセンサスを得るという点などについて、今どこまで話し合いがされているのかですね。また、もっと働いている人たちの意欲を出すという点で、特に公立園あたりでは、黒髪乳児保育園なんかもありますけれども、産休明けの保育は3カ月後からとかを産休明けから公立園だからこそもっと見ていこうじゃないかとか、そういう形で効率というか、中身を見直していく、そういう面は希望しますけれども、だから民営化だということにはならないと思います。今のコンセンサスがどこまで進んでいるのかについてお尋ねします。
◎重浦睦治 保育課長 コンセンサスというか、保育士につきましては、例えば土曜日の1日保育をやっていこう、あるいは産休明けでやっていこうということで、自分たちはまず現場で頑張るんだ、そういったところで意思の統一ができております。市民の方につきましては、議会の論議もありますし、そうしたことを踏まえながら、お示しして御意見をいただいていくということになります。
◆満永寿博 委員
保健福祉委員会の資料の5ページの中で、第1種社会福祉事業の大江荘ですね。これは母子寮ですね。熊本市大江荘母子生活支援施設は。
◎古川孝
首席保健福祉審議員兼
地域保健福祉課長 そうです、下の方に保育園がありますので。
◆満永寿博 委員 熊本市には母子寮は幾つありますか。法人が幾つありますか。
◎松岡由美子
子育て支援課長 母子寮としましては、民間のはばたきが1カ所、それから公立の大江荘1カ所、2カ所でございます。
◆満永寿博 委員 今、はばたき荘はどのくらいの定員が入っていますか。
◎松岡由美子
子育て支援課長 今、9世帯の25人程度入っております。友愛会のはばたきホームの方です。
◆満永寿博 委員 その定員は。
◎松岡由美子
子育て支援課長 定員については、今資料がなくて申しわけないんですけれども、施設に入居可能な部屋がある限り入居できるものというふうに考えております。
◆満永寿博 委員 熊本市の母子寮の大江荘ですね。これは現在何名おりますか。
◎松岡由美子
子育て支援課長 平成15年9月1日現在で大江荘、10世帯24人でございます。それから、失礼いたしました、はばたきホームの定員は20世帯でございます。現在9世帯ですけれども、定員としては20世帯でございます。
◆満永寿博 委員 大江荘は熊本市の人だけしか入れないんですか。それとも、熊本市外の市町村からでも入れるんですか。
◎松岡由美子
子育て支援課長 現在、大江荘は
熊本市民を入れることにしております。
◆満永寿博 委員 これは何で熊本市だけですか。
◎松岡由美子
子育て支援課長 現在は
熊本市民だけですけれども、県外からの措置という形で、ほかの福祉事務所から要望があった場合、入居することも可能です。ただ、ここはDV関係の機能、夜中に宿直員がいないとか、そういったことがありまして、夜中にもし何かあったときの対応ができないということで、他市町村からの措置要望というのはほとんどDV関係だものですから、DV関係ははばたきの方にお願いするということで、大江荘には他市町村からの入居が現在はないというような状況でございます。
◆満永寿博 委員 これは契約か何かで決まっているんですか。熊本市以外の人は入れないというようなこと、そういうことじゃないんですね。
◎松岡由美子
子育て支援課長 入れないということではございません。
◆満永寿博 委員 では、時と場合によっては入れるというようなことですね。
◎松岡由美子
子育て支援課長 DV関係以外でございましたら、入居も可能でございます。
◆満永寿博 委員 熊本県の場合は、熊本市、何ら関係なくて、全部入れていますね。それは県だから入れるわけですね。
◎松岡由美子
子育て支援課長 県が入れるとおっしゃっていますのは、DV関係の施設のことでございましょうか。
◆満永寿博 委員 そうです。
◎松岡由美子
子育て支援課長 機能的に大江荘では夜中対応とか防犯等で十分でないということで入れかねる状況だということで、県の方が持っています保護施設等については、そういったものが対応できるので、そういった規制を設けていないというような状況だと考えています。
○
島田俊六 委員長 それでは、これをもちまして、
保健福祉委員会を終わります。
午前11時55分 閉会
出席説明員
〔健康福祉局〕
健康福祉局長 田 中 亮 子 局次長 宗 村 收
健康政策部長 小 畑 寛 治 首席衛生審議員 工 藤 良 一
保健福祉部長 菅 野 隆 明 福祉事務所長 鳩 野 敬
首席保健福祉審議員兼
地域保健福祉課長 衛生部長兼保健所長大 塚 博 史
古 川 孝
首席衛生審議員 淵 邉 利 夫 指導監査課長 三 浦 直 樹
健康福祉政策課長 甲 斐 節 夫
国民健康保険課長 外 村 聖 治
保険料収納課長 中 山 弘 一 国民年金課長 迫 俊 彦
中央
保健福祉センター所長 東
保健福祉センター所長
山 田 克 憲 飯 川 昇
西
保健福祉センター所長 南
保健福祉センター所長
中 村 達 男 藤 井 弓 子
北
保健福祉センター所長
子育て支援課長 松 岡 由美子
井 芹 照 海
保育課長 重 浦 睦 治 高齢
保健福祉課長 吉 村 一 道
障害
保健福祉課長 島 村 徳 昭 保護第一課長 吉 村 次 郎
保護第二課長 永 田 徹 幸 地域医療課長 宮 本 祥 介
生活衛生課長 池 田 光 康 動物愛護センター所長
平 野 陽 一
食品保健課長 光 田 敬 一 感染症対策課長 田 上 豊
食肉衛生検査所長 村 上 英 明
〔
市民病院〕
市民病院長 松 田 正 和 事務局長 宮 崎 彰
総務課長 岩 村 正 康 医事課長 坂 本 裕 二
産院長 松 尾 勇
産院庶務課長 宮 崎 洋 一...